医師に任せきりにするのはリスクがある ( No.4 ) |
- 日時: 2016/04/23 13:05
- 名前: kyo ID:qIItK8Ms
- No.1で結論が出ているので蛇足でしょうが、サザンアイルズさんの
>福祉職や介護職の人間が医師に対して「知識が足りない」なんて、断罪してはならないと思います。もしもそう言うお考えでしたら、すぐに改めるべきです。 この考え方には必ずしも賛成できません。
実際問題として、誤診・不適切な投薬事例はそれなりにあります。 FTLDをATDやMCIと誤診(FTLDは初期から海馬が委縮しますし、興味がないことを無視するところが短期記憶の低下と理解されることがあります)とか、PickComplexをDLBと誤診(最近幻視があるとDLBと診断される事例をよく見かけますが、PSPやCBDは幻視が出て歩けない人がいます)とか、FTLDに中核薬を投与して興奮したとか、DLBに中核薬を投与して動けなくなったとか(アセチルコリンを増やすと拮抗関係にあるドパミンが減るからです)、DLBやFTLDの行動・心理症状に非定型抗精神病薬を投与して過沈静で動けなくなったり薬剤性EPSを起こしたとか、行動・心理症状に抑肝散を投与して浮腫・心不全を起こしたとか(抑肝散に限らず多くの漢方に含まれている甘草の副作用です)、実見しただけでもまだまだありますし、家族会などに参加して話を聞くといくらでも出てきます。
そしてこういったケースで、当初の医師の判断通りに治療を進めていくと非常に厳しいことになります。「知識が足りない」という言い方をする必要はありませんが、診断や処方が実態に合っていなかったり、うまくいかないときはそれを伝えて診断や処方を変えていってもらわなければなりません。 家族や介護者などの非医療者であっても基本的な知識を身に付け、適切に医療と連携できなければ認知症の方の治療はうまくいきません。
かんたさんの画像診断なしで〜の部分にコメントしておくと、画像はあくまで補助的なものです。画像では有意な所見がないのに症状は出ているということはよくあります。病理基盤と臨床症状が一致しないこともよくあります。また、複数の神経変性疾患がオーバーラップしていることもあります。ですから、例えば有名なコウノメソッドでは症候学的に病名をつけ、出ている症状に対して薬を処方するというやり方をしており、画像を撮る前にかなり絞りこめています(画像を撮らないという意味ではありません) なお、最近の手法でごく一部でしか行われていませんが、PETを用いた検査で、タウイメージングやアミロイドイメージングというものがあります。これが精度としては最も高いようです。
|
|