ユニット型特養のこれから ( No.4 ) |
- 日時: 2023/03/09 21:56
- 名前: 零細特養事務員 ID:/O6iozF.
- 私の地域でも、ユニット型特養が入居者確保に苦戦しています。
ネイト様のおっしゃるユニット型の強みというのは確かにその通りなのですが、しかしそれだけであれば従来型個室で事足りるのではないでしょうか。従来型個室とユニット型の居住費差額は一か月25,000円ですが、その差に見合ったサービスを提供できているユニット型特養はいったいどのくらいあるのでしょうか。
厚労省がモデル年金額を公表しています。 https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2022/202204/040103.html これは夫が40年間常用雇用され、その妻が専業主婦だったと仮定した場合における世帯の年金額ですが、その前提となっている、賞与を含む平均標準報酬43.9万円というのはほぼMAXに近いというのが実感です(退職時ではなく全期間通算した平均です)。少なくとも私には到達しえない額です。 そのような甘口試算のモデル世帯においてさえ、世帯の年金月額は22万円です。うち6万5千円は妻の基礎年金ですので、夫の年金月額は15万円程度というのが実態です。ちなみにこの額の年金だとおそらく非課税世帯にはなりません。ユニット型であれば、ひと月の請求額は14万円を超えてくるでしょう。医療費やもろもろを含めたら相当厳しいはずです。 高い入居費に見合うサービスが受けられるならまだ理解されるのかもしれませんが、家庭的という単語を隠れ蓑にしたタメ口介護が横行する現状ではそれも難しいのではないでしょうか。入居者が積極的にサークル活動に参加したり、職員と一緒に食事を用意するというような、かつてユニット型が目指した姿は、要介護3以上に限られるようになった2015年でほぼ破綻しています。 おそらく国はそのことに気づいていて、科学的介護と言い出したのもユニット型一辺倒の政策を見直したいからではないかと訝っています。 ユニットケアが目指した個別ケアの理想は素晴らしいものだと理解していますが、政策として優先すべきだったのは従来型の底上げだったのではないかと私は思います。 このままであれば、胸を張れるケアを行っていない施設は淘汰されることになるでしょうが、他のサービス業であればそれはいたって当然のことですので、介護業界がようやく普通になったと見ることもできるのではないでしょうか。
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