貴重な経験でしたが、なかなか大変でした ( No.6 ) |
- 日時: 2024/05/16 16:10
- 名前: 元デイ相談員 ID:S8ssuPOU
- スレ主様に参考になれば。
当デイサービスも担当ケアマネからの依頼を受け、最近までスカラモービルタイプを使用されるご利用者を受け入れていました。体格が良いご利用者(75s程度)でしたので、スカラモービル本体と車いすの重量を合わせると100sを超える状況でした。これを職員一人で慣れて昇降できるようになるまでには補助者も必要と思い、4名の職員(男性3名、女性1名)が操作講習を受けました。因みに、講習時間は職員一人の場合は2時間、二人同時に受けるのであれば時間効率がよく3時間で終わりました。
実際に操作している動画がyoutubeに上がっており、比較的小柄な方であれば女性職員一人でも問題なく操作されているようですが、結局当事業所では最後まで二人体制で送迎を行うことにしました。
その理由としてはもう一人のデイ職員さんがレスされたとおり、死亡事故案件が数件あったということ、動画を見ていただくとわかりますが、階段を降りる時に小径の車輪が階段の角にきちんと掛かるとこれがストッパー状態になり、そこから降りる動きに繋がっていきます。この見極めが課題となりました。階段を降りる時にこの左右2つのストッパーが所定の位置に掛かっているかは、操作者から目視出来ません。ですので、両輪が角に掛かっている感覚をしっかり掴めるようになればよいのですが、13〜14段ある階段の下に向かって車いすを押し出す動作をすることは、一人ではちょっと覚悟が入りました。結局もう一人の職員が階段の方から車いすの前輪辺りを掴み、引っ張って位置調整をしてもらうことにしました。またこのストッパーにかなりの負荷が掛かるため、消耗状態を見て交換してもらう必要があります。(真っすぐ動かなくなる前に)
怖かったことがもう一つ。ストッパーがきちんと掛からない状態のまま降りるスイッチ操作を行うと、下方に向かわず直上に上がる動きをします。一度そのまま一段下の階段に落ちてしまい、ご利用者と職員共々非常に怖い思いをしました。 幸い双方とも無事に済みましたが、転落事故はご利用者が不意に階段の手すりに掴まってバランスを崩され転落したケースもあるようですので、諸々考え一人で操作することを諦めた次第です。
その後操作講習を受けた職員がそれぞれの理由から2名退職されたことでこの方のご利用日に残りの2名の出勤が必ず求められ、新たに修了者を増やせるか悩みましたが、住宅改修による昇降リフトの設置に切り替えていただくことをご家族が了承され使用終了となりました。(当初の検討段階でリフトの設置案もありましたが、外階段で玄関ポーチの広さが車いす移乗時に十分でないとして見送られていました) 当デイサービスの現在の職員構成は男性1名のみで、他は高齢の職員も少なからずいるという事情も汲んでいただきこのような運びとなりました。
スカラモービルは保険適用の福祉用具とはいえ、それでも1割負担で月額約6,000円ほどかかっていたことも大きかったようです。因みに購入は定価80万円だったかと思います。
決してスカラモービルタイプを批判するつもりはありませんが、動画視聴時には何とかやれそうかなといった思いも受入れ体制が維持できるかで大きく揺らぎました。当方の事例がご検討材料の一つになればと思います。
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